太陽光で発電した電気でデスクトップPCを使う方法

太陽光パネルと蓄電池そしてUPS(無停電電源装置)を組み合わせれば、太陽光で発電した電気でデスクトップPCを安全に使うことができます。

それでは、詳しい方法を写真と図で解説します。
デスク周り

図で解説

太陽光パネルで発電した電気を安全に使うには、下の図のように電気を蓄電池で貯めてさらにUPSを接続することが必要です。

もし蓄電池の電気がなくなっても、UPSが瞬時に作動し、UPSに蓄積してある電気がPCに流れます。
ソーラー蓄電池

使用手順

ステップ1:太陽光パネルと蓄電池を買う

蓄電池の電力の出力波形は「正弦波」と「矩形波」の2種類があります。

「正弦波」は自宅のコンセントから提供されている出力波形で、海の波のような緩やかな変化のある波形です。正弦波出力の蓄電池の問題点は、製品の価格が高いことです。

一方、「矩形波」は波形がブロックのような直線的かつ規則的に変化します。矩形波出力の問題点は、PFC(力率改善回路)を搭載したPCでは動作しないことです。また、矩形波を保証しない製品も多いです。

よって、蓄電池は正弦波出力の製品がオススメ。製品例はクマザキエイム社の「SL-200」です。

クマザキエイム社の太陽光パネル「SL-P28」を取り付けることで、太陽光で発電した電気を貯めることができます。

正弦波出力の蓄電池と太陽光パネルが合体した製品もあります。製品例はクマザキエイム社の「SL-12H」や、レッツコーポレーション社の「ソーラー蓄発くん」です。

(SL-12Hの使用レポートはこちらで詳しく書きました。)

【非常用電源】ポータブルソーラー蓄電池ランキングで上記の太陽光パネル+蓄電池の3製品を詳しく比較しましたが、下の表のような違いがあります。

ソーラー蓄電池の比較
製品名 SL-12H SL-200
+
SL-P28
ソーラー蓄発くん
ソーラーパネル容量 30W 28W 52W
蓄電池容量 250Wh 推定222Wh 900Wh
定格出力 AC:100V
(50Hz)
DC:12V/5A
AC:100V
(50Hz)
DC:12V/2A
USB:5A/1V
AC:100V
(50Hz/60Hz)
最大出力 250W 200W 600W
充電時間
(太陽光)
12時間 12時間 不明
充電時間
(AC電源)
6時間 7時間 不明
重量 9.2kg 2.8kg+3.1kg 15kg
価格 約5万円 約4万円+1万円 約33万円
メリット 価格が安い USB出力端子がある
価格が安い
充電しながら出力可能
パネルの変換効率が良い
電池容量が大きい
出力が大きい
デメリット 重い 非常に重い
価格が高い

(上の表は横にスクロールできます)

ステップ2:UPSを買う

前述した蓄電池同様に、UPS(無停電電源装置)の出力波形も「正弦波」と「矩形波」の2種類があります。

蓄電池同様に、UPSは正弦波出力の製品がオススメ。私が調べた限りでは、正弦波出力で最も安いUPSはオムロンの「BY35S」です。

ステップ3:接続する

私は太陽光パネル兼蓄電池にクマザキエイム製「SL-12H」、UPSにオムロン製「BY35S」、PCにエプソンダイレクト製「ST170E」を使用しています。

まず、(太陽光パネル兼)蓄電池-UPS-PCの順番につなげます。最初に蓄電池、次にUPS、最後にPCを起動すれば、PCがいつも通り使用できます。
デスク周り

蓄電池の電気がなくなれば、UPSが瞬時に作動し、UPSに蓄積してある電気がPCに流れます。

UPSは数分~数十分しか動作しません。実際に使用する際は、UPSの電気が切れる前にPCの電源を手動で切ってください。

電源の出力が大きい場合

ゲームPCのように最大消費電力が大きい場合、蓄電池もUPSも最大出力電力が大きな製品を選ぶ必要があります。

製品例は、最大出力600Wの太陽光パネル+蓄電池「ソーラー蓄発くん」や最大出力500WのUPS 「BY80S」です。

省電力PCがオススメ

一般的なデスクトップPCの消費電力は50W程度、液晶ディスプレイが20~30W、小型UPSが5~10Wです。

消費電力が全部まとめて80Wであれば、電池容量250Whのソーラーパネル兼蓄電池「SL-12H」の場合、超高条件でも3時間しか持ちません。

そこで、消費電力を抑えるためにハードディスクはSSDを選び、光ディスクドライブは取り外した方がいいです。また、液晶ディスプレイの明るさも抑えると消費電力が大きく下がります。

私はエプソンダイレクトの省電力小型デスクトップPC「ST170E」を購入し、ハードディスクはSSD、光ディスクドライブは搭載しない仕様にしました。結果、デスクトップPCと液晶ディスプレイとUPSを合わせても30W以下で動作しています。
ST170E

(写真では見にくいですが、消費電力は26Wです。)