ペレットストーブの停電対策
UPS(無停電電源装置)や蓄電池を使えば、停電中でもペレットストーブが使えます。
UPSで瞬時に電気が供給
ペレットストーブは一部の製品を除いて電気を消費するため、停電時に使えないことが課題でした。
そこで、パソコンの停電対策に用いるUPS(無停電電源装置)を使えば、停電時にもペレットストーブが使えます。
UPSの原理は下の図のように、通常時は家庭用電源(コンセント)からペレットストーブに電気が供給され、停電時はUPSからペレットストーブへ瞬時に電気が供給されます。
電力の低い場合
例えば、私が購入したさいかい産業のRS-miniは消費電力が最大20W、同じくさいかい産業のSS-5は最大70Wです。
さいかい産業のように自動着火機能がなく、電力が低い場合、正弦波出力で最大出力210Wのオムロン製「BY35S」がおススメです。
BY35Sは3年保証がついています。私はBY35Sをパソコン用に3年以上使用していますが、一度も故障していません。
電力が高い場合
例えば、豊実精工の「ペレスター HPS-110」は最大360W(通常時105W)の電力を消費します。
このような電力の高いペレットストーブには、最大消費電力300W対応のオムロン製「BY50S」や最大消費電力500W対応のオムロン製「BY80S」がおススメです。
UPSは使用できる時間が少ない
残念ながら、UPSは短い時間しか利用できません。下の表はペレットストーブの消費電力に対するUPSが使用できる時間です。
20W | 100W | 300W | 500W | |
---|---|---|---|---|
BY35S | 90分 | 15分 | 利用不可 | 利用不可 |
BY50S | 90分 | 15分 | 3.5分 | 利用不可 |
BY80S | 170分 | 40分 | 9分 | 4分 |
例えばBY35Sの場合、消費電力20Wのペレットストーブなら停電時も90分間使用できますが、100Wなら15分しか使用できません。
長時間使用するには蓄電池と発電器
数日間停電してもペレットストーブを使用するには、UPS以外にも蓄電池や発電器を組み合わせる必要があります。
そこで、蓄電池として記事「マンションで使える蓄電池付きソーラー発電機器を比較」で紹介した、ソーラー発電と蓄電池が一体となった製品がオススメです。
例えばLooop社の「ソーラーパネルセット250Wモデル」の場合、消費電力100Wのペレットストーブなら推定10時間利用できます。
ソーラー発電と蓄電池が一体となった製品は、太陽光で発電した電気を蓄電池に貯め、蓄電池からペレットストーブに電気を供給します。晴れの日は自然エネルギーで発電できるため、災害時には効果的です。
東北大震災では4日後には99パーセントが復旧
東京電力「東北地方太平洋沖地震に伴う電気設備の停電復旧記録」によれば、東北大震災の際、東京電力のサービスエリアで最大約405万軒が停電しました。
しかし、翌日には8割以上、4日後には99パーセント、7日後には100パーセントの世帯で電力が復旧しています。
一般的に電気の復旧は非常に速く、復旧に最大数ヶ月かかる都市ガスとは大きく異なります。(ついでに、ガソリンスタンドも復旧が非常に遅く、東北大震災の際は、ガソリンの供給に数週間~数ヶ月を費やしています。)
大震災のことを考えれば、電気の復活に数日を要するため、ペレットストーブを停電時でも使えるようにするには数万円の蓄電池が必要ですね。