【震災時に役立つ】水や電気を使わないトイレを比較

震災時に何日間も停電そして断水しても役立つ、水や電気を使わないトイレを比較します。

エコ・クリーン「自然にカエル」

エコ・クリーン社の「自然にカエル」は、本来は下の動画のように生ごみ処理機として使います。

しかし、記事「電気と水を使わない!コンポストトイレ」で紹介しましたが、「自然にカエル」に便器を取り付ければ、災害時用のトイレとしても使えます。

「自然にカエル」の魅力は、本体と便座合わせて2万5千円という低価格です。

一方、「自然にカエル」の問題点は、換気ファンとヒーターがないため微生物の活動が遅く、水分が蒸発しにくく、匂いもすることです。そのため、数百円のピートモスを何日かに1回入れ替えることになるでしょう。

また、処理能力のことを考えれば(停電時でも下水は使えるので)小便はお風呂に流し、大便だけ「自然にカエル」を使うことになります。

エール・ケア「ぬくもり」

(現在生産終了)

エール・ケア社のコンポストトイレ「ポータブル型バイオトイレ ぬくもり」は介護用品として使用されている製品です。価格は12万円以上しますが、ご家族に介護保険の要支援・要介護の認定者がいれば非常に安く買うことができます。

しかし排気ホースの設置が必要なため、場所によっては設置できない場合があります。

停電時にも使うには

蓄電池と太陽光パネルが合体したクマザキエイム社の「SL-12H」を使えば、停電時でも「ぬくもり」が使えます。

SL-12Hは太陽光で発電した電気を本体に蓄電し、停電しても最大250Wの電気が使えることが特徴です。

ただし蓄電池容量の関係で、「ぬくもり」の場合は数時間しか使えません。大便を撹拌する時だけ電気を使うことになるでしょう。

そのため停電が長引けば、匂いはきつくなっていきます。匂いがひどくなったら、補充用バイオチップを何日かに1回入れ替えることになるでしょう。

Sun-Mar「エクセルNE」

Sun-Mar「エクセル」
(出典:コンポストトイレの庭仕事ひろば「エクセル」

Sun-Mar社のコンポストトイレ「エクセル」は1971年に最初に発明されて以来、全世界で最も多く使われているコンポストトイレです。

エクセルNEの処理能力は毎日2人分もあり、臭気も少ないです。

一方、下の写真のように本格的な換気パイプを使って臭気を外へ出すため煙突・配管工事が必要です。

コンポストトイレの煙突
(出典:コンポストトイレの庭仕事ひろば「エクセル」

また、パイプを曲げて設置する場合は換気ファンが必要です。ソーラーパネル(4,320円)と専用12Vファン(3,780円) のセットを購入するか、家庭電源用100Vファン(3,240円)が必要です。

停電時、実際には換気ファンがなくても大丈夫でしょうが、匂いが充満すると思います。

介護保険対象商品や匂いの少ないものまで

水や電気を使わないトイレはネットショップでいくつか販売されており、その中でエコ・クリーン社の「自然にカエル」、エール・ケア社の「ぬくもり」、Sun-Mar社の「エクセルNE」を比較します。

トイレを比較
エコ・クリーン
「自然にカエル」
エール・ケア
「ぬくもり」
Sun-Mar
「エクセルNE」
水不要
電気不要 ×
処理能力 1人1日分以下 1人1日分・2,500cc 2人分
電気代 0円 960円/月 数十円/月
その他費用 便座:2,000~5,000円
ピートモス:400円
米ぬか:数十円
くん炭:数百円
補充バイオチップ: 5,500円/3~6ヶ月
排気ホース取付用部品 :8,800円
消臭原液500ml :1,500円
広葉樹のチップ、モミガラ、腐葉土など:数百円/月
コンポストクイック1,000ml:1,500円
匂い 多い 少ない 少ない
撹拌(ハンドル操作) 手動 ボタン操作 手動
排気ホース(管)の設置 不要 必要(オプション) 必要
サイズ(mm) H418
W428
D340
H860
W600
D750
H844
W571
D 838
その他特徴 液体は分解に時間がかかるので、小便は他の容器に入れる必要あり。
トイレットペーパーは燃焼する必要あり。
介護保険対象商品のため、介護保険利用者はお得になる。
キャスター付きで移動しやすい。
一般的なトイレより便座の位置が高くなっており、足置きが必要。
排気管を取り付ける住宅工事が必要。
モバイル用や水洗式用など様々なモデルがある。
価格 19,800円 現在生産終了 257,040円

(価格は2017年10月時点、税込み)