自販機が田舎に多い理由

田舎は人口が少ないのに自販機が多くあります。田舎に自販機が多い理由を紹介します。

田舎の自販機は人口の割に設置台数が多い

田舎は人口の割に自販機が多いです。理由は次の2つ。

  1. ライバルが少ない
  2. 初期費用ゼロ

ライバルが少ない

都会ではスーパーや24時間営業のコンビニなど、自販機のライバルが多いですが、田舎では少ないです。田舎で24時間・人件費ゼロで飲料水を販売できるのは自販機だけなので、自販機のメリットを活かせます。

初期費用ゼロ

テレビ東京の「ガイアの夜明け-真夏の自販機戦争!」で放送されていましたが、自販機の機械本体や設置費用などの初期費用は、自販機の運営会社が負担します。さらに、飲料水の補填などの管理も運営会社の負担です。

つまり、初期費用ゼロで簡単に設置でき、管理も楽なので、自販機が導入されやすいのです。

黒字になるのは難しい

東北4県で4200台の自販機を販売している中堅自販機運営会社の「デリコム」は、今、過疎地に自販機を増やそうと行動しています。

「ガイアの夜明け」では、デリコムと宮城県丸森町のおばあちゃんが契約を結んでいました。契約内容はおばあちゃんが月4,000円の電気代を負担する代わりに売上の10%が収入になる、というものです。

つまり、おばあちゃんが黒字になるには、月4,000円×100/10=月4万円以上の売上が必要です。

デリコムの自販機は商品の価格がすべて100円なので、月4万円÷100円=月400本以上売らないと黒字になりません。

つまり、ノルマは1日あたり販売数は13~14本。田舎は「ライバルは少ない」「初期費用ゼロ」というメリットがあるにしても結構きついノルマですね。

自販機は儲からない

田舎の自販機の設置場所の特徴は次の2つ。

  1. スーパー・個人商店といったお店の前
  2. 郵便局・農協・役場といった会社の前

「1.スーパー・個人商店といったお店の前」は、お店の営業時間外や休業日にも自販機だけで営業できるメリットがあるため設置しているのでしょう。

「2.郵便局・農協・役場といった会社の前」は、従業員という常連客がいるため設置しているのでしょう。

デリコムが農村部に置いた自販機で大人気になったものもあり、月3000本(推定30万円)の売上を誇る自販機もあるようです。

しかし、私は1と2の場所以外で田舎の自販機をほとんど見たことがありません。つまり、自販機は田舎でもおそらく儲からないのでしょう。

補足:都会の自販機が多い理由は節税のため

都会には、会社やお店に関係なくマンションの横に自販機が設置されています。理由は節税です。

現在は法改正され禁止になりましたが、法改正前は、賃貸アパートの一角に自販機を設置するだけで、建築費にかかった消費税が戻ってくる仕組みでした。

そこら中のマンションの横に自販機が設置されているのは、需要というよりは節税対策によるものです。